ポジティヴヘルス…“健康”は、「自ら湧き上がるもの!」
- japanpositivehealt

- 2021年11月9日
- 読了時間: 4分
更新日:3月5日
在宅医療で出会う患者は、役割をたくさん持っている。
病院に入院していると“患者”という役割に徹する必要がある。 患者として目を覚まし、患者としてごはんを食べ、患者として治療を受け、患者として眠る。家族が来たときだって、なんとなく、患者と見舞客、という雰囲気になってしまうものだ。
自宅にいるときは、たまに“患者”の役割を演じることもあるけど、父、じいちゃん、元町内会長、飲み仲間、猫好き。いっぱいある役割のほんのひとつにすぎない。
だから、その人のいろんな面に気づくことができる。病人じゃない側から出会うことができる。そこが、僕が在宅医療が好きな理由の大きなひとつ。
病気や障害を持っていること=不幸、ではない!
医療法人オレンジ・オレンジグループは、医ケアキッズ、いわゆる医療的ケア児とか呼ばれる子どもたちと、毎日楽しく活動している。

彼ら彼女らを巡る世間の見方は、病気があり、障害があり、余命が限られていて、体を動かすのも不自由な、不幸な存在。
子ども、という守るべき存在。
病人、という守るべき存在。
障害者、という守るべき存在。
いくつもの守るべき存在が重なったところにいる、最も守るべき存在。
つまり、弱者。最も、弱者。最弱者。
そんな彼ら彼女らのような医療的ケア児に出会い、2012年に居場所づくりから始めた OrangeKids’CareLab. 通称ケアラボ(福井県福井市)。
なぜなら、在宅医療で出会う「患者=患うもの」と呼ばれる人たちは、そのくくりにはおさまらず、生活の場でそのエネルギーを発散させていることを、知っていたから。
”患者”、と括られると、できない・弱い存在に思われがちだが、そうではないということを、知っていたから。
病人である上に、子どもである彼ら彼女らは、
病人であるがゆえに医療者から、子どもであるがゆえに親を始めとする大人たちから、弱い存在としてまとめられていた。
でも、だからこそ、収まらないエネルギーを発散する存在であることに気づくことができた。

信じていく。
ケアラボでは、それまで、医療的ケア児には負担だ、やめたほうがいい、かわいそうだ、行かないほうがいい、と言われていた保育園を作った。公園に遊びに行った。プールに入った。雨の日も遊んだ。山へ行った。海へ行った。毎日、地域にでていっぱい遊んだ。
軽井沢に滞在した。ディズニーランドに行った。電車に乗った、飛行機に乗った。久米島に行った。プロペラ機に乗った。馬にも乗った。
子どもには、遊びと友達が必要。どんな病気や障害があっても、それを奪ってはいけない。

身体の機能や、余命から考えたら、最弱者な子どもたちが社会とや物事と繋がり始めた。
大人を動かし始めた。地域を変え始めた。社会に発信し始めた。
「この子ら、強ぇなぁ・・・」、って思わず呟いていた。
ハッとした。
最弱者、と呼ばれる彼ら彼女らを見て、「強ぇ」って呟いている自分がいた。
強い、弱い、そして生きているエネルギーを表すのは、病気がない、とか、障害がない、という状態を指しているのではない。
変わろう、繋がろう、変えよう、と蠢く、生命のエネルギーを持っていることを、強い。という。健康的、というのだ。つまり健康とは状態ではなく、向く方向先、ベクトルの話なのだ。

専門職として、この子たちを弱者として管理するのか。
あるいは、時には引っ張ってもらいながら、強さを支えながら一緒に歩くのか。
管理するものの快感や、管理することの楽さも知っているけど、変わるものに恐れながらも慄きながらも、進むことこそ生きることと気づいている。
健康は、誰かに決められる、誰かの物差しで測られるものではなく、その人の中から湧き上がるもの、なのかもしれない。
なーんてことを考えている時に。馳せていたからこそ。
オランダ発の「ポジティヴヘルスーPositive Health」という健康のコンセプトに出会った。
書き手:医療法人社団オレンジ、ポジティヴヘルスジャパン 紅谷
オリジナル:「ポジティヴヘルス…“健康”は、自ら湧き上がるもの!」2020.1
再編集:2026.3




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